前回の記事
前回は我が家の基本仕様を紹介しましたが、「なんの変哲もない今どきのよくある注文住宅の仕様じゃねえか」と言われそうな内容でした。今回は少し趣向を変え、標準的ではない特殊なオプション仕様についてお話しします。
南面大窓のトリプルガラス化
我が家の窓は基本的に、YKK APの複層ガラスAPW330(ペアガラス・樹脂サッシ)が標準仕様です。しかし、住宅の快適性に直結する断熱性能に妥協したくなかったので、断熱等級7は予算の関係で諦めたものの、最大の断熱弱点である窓の熱損失を抑えるため、南面の大きな掃き出し窓はすべてAPW430のトリプルガラスに変更しました。
本当は全窓トリプルガラスにしたかったのですが、金額が100万円以上上がるため、一部のみの採用にとどめました。
ちなみにLIXIL(TOSTEM)の窓を採用できる場合は同じ樹脂サッシなら後発であるEWを使用したほうが窓枠が細く、意匠性が高いので個人的にはおすすめです。
ただ、品質の問題なのかYKK APを推す大工さんが多いという噂もあるので参考までに。
ガラスのスペーサーとアルゴンガス
さらにすべての窓には、中間層に乾燥空気よりも熱伝導率が低いアルゴンガスを封入しています。これは我が家が選択したHMでは標準仕様ではありません。オプションです。
また、標準はアルミスペーサーですが、内部結露が心配だったため、樹脂スペーサーに変更しました。こちらはそれほど費用がかからず、万人におすすめできるオプションです。
※まず、UA値(熱貫流率)の数値上は、スペーサーの種類やアルゴンガスの有無による差は誤差レベルと言われています。つまり、断熱性能の向上としては実質的にほとんど影響がないため、断熱性能面では気休め程度と考えてよいでしょう。
一方で、結露対策としての樹脂スペーサーの効果は非常に有効です。樹脂スペーサーはアルミに比べ熱を伝えにくいため、窓の内側での結露発生を大幅に抑制できます。このため、内部結露が心配な場合には樹脂スペーサーへの変更がコストパフォーマンスの面でも強くおすすめされます。
開閉の工夫
APW430(トリプルガラス)の大窓(掃き出し窓)はかなり重く、1枚で約50kgあります。高齢者には開閉がかなり大変なので、1階の和室には大型の引手を付けました。
今回は最も握りやすそうな大型引き手を採用しましたが、最低でもサポートハンドルはつけるべきだと思います。
2階の個室窓は使用者がまだ若いことと、後ほど紹介する特殊仕様のため、大型の引き手は採用していません。また、今回は割愛しますが大型引手やサポートハンドルはカーテンレールの取り付け位置に制約が生まれるので、気にする方は注意が必要です。

温暖地域でも断熱にこだわる理由
我が家は温暖な7地域に位置するため、あまり断熱を重視しなくてもよいと思われがちですが、夏の暑さ対策としても高断熱は効果的です。
近年の異常気象や地球温暖化の影響で、例年よりも暑さが厳しくなっていることや、将来的にさらに激しい猛暑が予想されることを踏まえると、外気温の影響を受けにくい高断熱の家はますます重要となります。
エアコンの冷たい空気を逃さず閉じ込めることができるため、冷房効率が上がり、電気代の節約にもつながるというメリットも大きいです。
次回の記事では主に電機やインターネット配線について紹介します。
私が暴走したため、このあたりから雲行きが怪しくなっていきます。