家づくりメモ|設備選定⑤:トイレの選択とタンクレスvsタンク式

今回はトイレについて書きます。
トイレは他の設備に比べてメーカー数が少なく、あまり悩む要素が多くありませんでした。ですが、多くの方がまず悩むのがタンクレスタンク式にするかだと思います。新築の場合は、見た目のスタイリッシュさを重視してタンクレスにするか、コストパフォーマンスとメンテナンス性に優れる旧来のタンク式にするか、悩みますよね。

結論から言うと、うちは両方とも採用しました。
1階は来客も使うことが多いので見た目を重視してタンクレス2階はプライベートスペースかつ使用頻度が高いのでタンク式(組み合わせ便器)にしました。

TOTOネオレストやLIXILサティスといったタンクレスSNSYouTubeで散々に言われることがありますね。「絶対にやめておけ」的な意見も見かけます。基本的にタンク式と比較して2倍以上の価格であることが多く、ハイグレード製品です。電気製品のため、約10年で故障するリスクも高く、故障箇所によっては本体ごと交換になる場合もあります。また、長年経つとパーツの供給が終わり修理不可となることも考えられます。さらに製品によっては節水しすぎで詰まりやすいケースも報告されています(主にTOTO ネオレストシリーズ)。見た目は良いですが、デメリットも多くコスパはハッキリ言って最悪だと思います。ただ、Panasonicアラウーノなどは便座と本体に隙間がなく清掃性が高いのは評価できます。(※アラウーノは樹脂製で例外的に安いのでこの限りではない)

 

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一方、TOTOピュアレストやLIXILアメージュ便器といったタンク式(組み合わせ便器)は便座部分が分離しているため、温水便座故障時にはネット通販で安く買い替え可能です。DIYが得意なら業者を呼ばずに交換できます。見た目は昔ながらですが、メンテナンスが簡単で保守部品が無くなる心配もありません。ただし、上位モデルのタンクレスのような最新の付加機能はありません。(音楽再生だったり、便スキャンといったヘルスケア機能など豪華なものはありません)

 

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TOTO ZJ、LIXILアメージュ(ベーシア)などタンク式(一体型)は便座とタンクが一体になっています。交換時には高額となり、丸ごと交換と変わらないこともあります。ハウスメーカーの標準仕様としてよく使われ、安価で継ぎ目が少ないため組み合わせ便器より見た目は良いです。

 

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また、タンク式でも見た目を工夫した製品があります。私が「タンクレス風」と呼んでいるTOTOGGシリーズ(LIXILだとプレアスLSタイプ)です。小型タンクが便座の後ろに隠れ、見た目はタンクレスに近いです。価格はタンクレスより安価で中間的ですが、便器・便座・タンクが一体化しているため、修理時のデメリットはタンクレスと同様です。他には断水時に1回水を流せる、水圧に影響されない点がメリットです。先月発売された新モデル(GGA)では、後部の盛り上がりが小さくなり、さらにタンクレスに近い見た目になっています。新築で見た目を重視する人には注目のモデルと言えそうです。

GGA | トイレ(ウォシュレット・温水洗浄便座・便座・便器・トイレ収納) | 商品情報 | TOTO株式会社

 

ちなみにウォシュレットというのはTOTO登録商標で正式には「温水洗浄便座」と言うらしいです。LIXILだと「シャワートイレ」。

次回は具体的なモデル選定について書く予定です。

 

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家づくりメモ|設備選定④:トクラス「AXIY」一目惚れからの採用決定

前回の記事

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前回の記事では様々なメーカーの普及価格帯バスルームを検討しましたが、個人的に「絶対に入れたい!」を感じる商品がありませんでした。そこで中級~上級グレードに視野を広げて選定を開始し、調子に乗ってカタログや業者向け資料を全て取り寄せました。カタログの山が出来上がりました。施工業者向けの技術的な資料が欲しかったので個人事業主として某社のビジネスアカウントまで取得しました。

上級グレードへの視野拡大と求めるもの

個人的に上級グレードの間接照明を多用したラグジュアリーな見た目は好みでしたが、過度なオプションは不要でした。私は浴槽にあまり長時間入らないため、ジェットバスマイクロバブル肩湯などは持て余す可能性が高く、高額なオプションかつ故障リスクもあるので最初から検討していませんでした。予算的にもそもそも厳しいです。

ホテルライクなデザインは魅力的ですが、清掃性が悪化するのでゴテゴテしている必要はありません。シンプルでいいのです。

運命の出会い:トクラスAXIY発見

そんなバスルームを求めてショールームを巡っていたとき、異彩を放っていたバスルームを発見しました。

 

 

TOCLAS AXIY

 

一目惚れしました。格好いい。

 

ゴテゴテしておらず、シンプルなパーツ構成なのにホテルライクな高級感を演出しています。シンメトリーデザインのアクセントパネルが非常に独特で、空間を広く見せるという他メーカーには無いものでした。

調べてみると発売日が2024年6月3日であり、非常に新しいバスルームでした。マットなグレージュっぽいマテリアル(壁色)など、近年のトレンドを抑えている感じがします。

 

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AXIYの魅力とデザイン展示


展示はカタログの表紙になっているホテルライクでシックなものと、グレージュと木目のシンプルかつ可愛らしいものの2種類があり、どちらのデザインも非常に魅力的でした。
こちらの展示は特に女性に人気があるように思えます。

浴槽にはトクラスの普及価格帯エブリィの「スターク」よりも優れた人工大理石である「エクラン」を採用しているようで、ゲルコーティングが施されています。キズがついた場合は研磨も可能です。こんなことが書かれているのはトクラスだけです。

(AXIYになる前の前身である「YUNO」を使用しているユーザーによると、洗剤を使わなくても水垢がしっかり落ち、20年経っても綺麗なままという情報があったので実績があるようです)

 

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選定理由

下位グレード同様に、うちのハウスメーカーではサウンドシャワー(ヤマハBluetoothスピーカー)が標準仕様でついています。こちらの音質も良好で魅力に感じていたので決め手となりました。実は昔は有線(3.5mmステレオミニジャック)しか無かったのですが、AXIY発売と同時にBluetoothに対応したようです。

 

選定の条件は色々あったのですが、結局のところ我が家は最終的にデザインで採用を決めてしまいました。

このシンメトリーデザインは、窓のない空間を広く見せるだけでなく高級感のある濃いめの色をアクセントパネル全面に採用すると雰囲気が重くなりすぎる&水垢の掃除が大変すぎる問題に対する一つの答えでもあると自分は考えています。アクセントの面積を限定することで、これらの問題を緩和できます。

また、シンプルなパーツ構成のデザインを基本としているのも清掃性の観点から好感が持てます。カウンター・ミラー・窓などを全て外して必要なものだけマグネットで装着するのが今どきのトレンドであり、このバスルームはそのような想定とマッチしています。

どこぞの床のようなピンクカビや浴室パネルの落ちない水垢の懸念もありません。

水垢が目立つ懸念はありますが、全てのパーツで黒色を選択でき、高級感のある重厚な雰囲気のバスルームを実現できるのも個人的に高ポイントです。

 

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懸念点と対策:お掃除浴槽の採用

懸念点もあります。下位グレード同様に3Dエルゴデザインの湾曲したバスタブ*1は1618サイズだとあまり恩恵がありません。浴室に一人で入るなら尚更です。それどころか湾曲しているため、普通の浴槽より掃除がしづらいという書き込みを見たことがあります。

ロッコバスタブという別形状の浴槽を選べばこの問題は回避できますが、我が家の場合は家族にデザインの好みでNGを出されてしまったため、3Dエルゴバスタブを採用することになりました。

 

3Dエルゴバスタブは清掃性に懸念があったので、「それならいっそ手で掃除をしなければ良いのでは?」と考え、「おそうじ浴槽」のオプションを採用しました。

これは投入口に予め洗剤を投入しておくことで浴槽の水抜き、洗剤洗い、お湯はりまで全て自動化するものです。とはいえ、2週間に1回の手洗いが推奨されています。

ぶっちゃけ、家電と同じで故障のリスクはあると思います。自分はこの手の自動化・時短・手抜きする仕組みは可能な限り採用したかったので、強行しました

(なお、おそうじ浴槽はノーリツが提供している機能なので私が知る限り、全てのメーカーで採用可能です。)

 

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補足情報

マットエクランについて

我が家には採用しませんでしたが、ブロッコバスタブに限り「マットエクラン」というマットな質感の浴槽を選択できます。こんな浴槽を選択できるのは人造大理石に特化したトクラスだけです。こう見えてコーティングされているようで研磨も可能なので清掃性は問題ないとのことでした。

近頃はマットな質感の壁面パネルを選択する方が多いようで、柔らかい雰囲気・可愛らしい雰囲気を作りたい場合は重宝すると思います。写真では伝わりづらいので検討している方はショールームで実物を触ってみてください。サラサラ感が癖になる人もいるとか。

 

 

浴室暖房乾燥機について

我が家は浴室暖房乾燥機を採用しました。

電力効率の話や衣類乾燥が目的だとそもそも乾きにくいということで、近年は無駄オプション扱いされることが多いのですが、うちの場合は家族の高齢化を考慮してヒートショック防止の意味合いで入れることにしました。

また、未導入(換気扇のみ)より浴室内を乾燥させることができるのでカビの抑制にも繋がります。プラズマクラスターを発生させられるモデルもありましたが、この手の技術をあまり信用していないこと、体感できないこと、値段の関係で没になりました。

 

その他(雑記気味)

ショールームの展示がとても気に入っており、ほぼそのままの形(Authenticプラン、カタログの表紙のやつ)でお願いしたので、気づいたらシャワーヘッドはKVKのウルトラファインバブルになりました。他メーカーではケチってた部分。

また、家族の希望でエクランレガリア(人造大理石)のワイドグリップとカウンターも付いており、結局あんまりシンプルになってません。どちらも浴槽と同じ上位グレードの人大(エクラン)なので汚れに対してかなり強いはずですが、高額です。普通に豪華仕様。

カラーも黒に変えられる場所は全て黒。黒にすると何故か値段が跳ね上がる(理不尽)

例えば水栓は定価だと10万円アップになります。流石にナメてない?

(TOTOシンラやLIXILスパージュの全部入り最強仕様ほどではないものの、色々つけたので標準仕様からの差額が+70万とかになった。本当にシンプルなプランなら普及グレードからそこまで変わらない筈。)

 

 

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AXIYの前身、かつてのハイグレード商品「YUNO」はPanasonicスミピカフロアと同様に床と壁の間に立ち上がりがあって、目地のコーキングが床から数cmの高いところにあったので通常より汚れが溜まりにくい仕様でした。

トクラスショールームで確認したところ、AXIYでは無くなってしまったということで、個人的には最大の残念ポイントとなっています。

また、一部のメーカーと違って床断熱がオプションなので環境やハウスメーカーの施工によっては追加費用が発生します。(うちの場合は浴室も断熱されているので不要とのことでした。)

 

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あとがき

以上が我が家のバスルーム選定の経緯と最終決定です。

次回は残りの設備、トイレか洗面台についての記事を作成したいと考えています。

(執筆時点で打ち合わせの最終段階ということもあり、なかなか作成できない問題)

*1:バスタブを湾曲させることで洗い場を広く確保できる

家づくりメモ|設備選定③:浴室・システムバスルームの検討ポイント

前回の記事

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バスルームに求めることは「清掃性」と「デザイン」

私がバスルームに最も求めているのはやはり清掃性の高さです。
ただし、デザイン面も妥協したくないというのが正直なところ。

最近の普及価格帯のバスルームはシンプルすぎて、物によっては安っぽく見えがちで、今使っているお風呂(当時はお高めのユニットバス)より見劣りすることもあります。

メーカーラインアップと仕様バリエーション

契約しているハウスメーカーの仕様内で選択できるのは、LIXIL(標準)、TOTOトクラスでした。
案内にはなかったものの、クリナップも選べそうな気がしています。
キッチンと同様、パナソニックなど仕様外である他のメーカーも割高ながら選択可能なようです。(HM曰く、中間マージンが増えるのでオススメしないとのこと。)

LIXILのリデア

HMの標準仕様であるLIXILの普及グレード「リデア」は、TOTO普及グレードの「サザナ」と並び床に工夫があり、冷たく感じにくい「キレイサーモフロア」(硬めの素材)、取り外せるカウンター、壁パネルデザインの豊富さなどが特徴です。

しかし色々オプションを付けなければ良くも悪くも今どきの普通のバスルームといった印象で、私は大きな魅力を感じませんでした。豪華なオプションは存在しますが、それらは高額になります。(何もつけなければサザナと並んで費用対効果は◯)

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TOTOのサザナ

業界最大手のシェアを持つTOTOの普及グレード「サザナ」は、非常に有名な「ホッカラリ床」が最大の特徴です。
この床は冷たく感じにくく、柔らかい(沈み込む)感触があります。子どもがいる家庭では転倒時に安全だったり、そのまま座れるメリットがあります。

ただし、ホッカラリ床は清掃性や水はけに難があり、ピンクカビの発生報告が多いのが問題です。TOTO独自の床ワイパー洗浄などのオプションや入浴毎に床の拭き取り防カビくんで抑制は可能なようですが、うちのようなズボラな家族には合いません。(例えばうちは平気で2週間ほど床掃除をさぼることも…)

また、サザナのカウンターは取り外して掃除することができません。
床ワイパー洗浄をつけると強制的にカウンターが付いてしまうので、カウンターを削除したい場合は床ワイパー洗浄を諦めることになります。

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トクラスのエブリィ

知名度の低いトクラスの普及グレード「エブリィ」は、カウンターは取り外せず、床の清掃性と滑りにくさの工夫はあるものの、LIXILTOTOのような冷たさ対策はありません。

特徴的なのは3Dエルゴデザインの湾曲したバスタブで、洗い場を広く使える効率的な設計です。もともと狭い集合住宅向けに開発された浴槽のため、1616サイズ以下だと子どもとゆったり入れます。1618サイズだと洗い場が十分広いため、恩恵は少ないかもしれません。

浴槽のデザインも独特でおしゃれですが、私が標準的な体格で試したところ、他社と比べ少し狭く感じました。個人的にロッコバスタブというフロートタイプの湾曲していない浴槽のほうが合っている気がしました。

また、我が家が契約したHMではサウンドシャワーという浴室Bluetoothスピーカーが標準装備されています。トクラスの前身はYAMAHAリビングテックで、浴室に最適化されたスピーカーの音質はかなり良く、個人的にはとても魅力的でした。しかし、バスルームの全体的なデザインは古臭さがあり、構造の工夫も劣っているので没になりました。

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Panasonicのオフローラ(仕様外)

パナソニックの普及グレード「オフローラ」は仕様外ですが、強く希望して見積もりも取りました。

電機メーカーならではのフラットライン照明が格好良く、床と壁の間に目地のない立ち上がりがあり、汚れが溜まりにくい設計です。(ただし完全になくなったわけではなく、目地は少し上に移動)

また浴槽は今回比較した中で最も広く感じ、個人的には好みでした。しかし仕様外かつ高額で泣く泣く除外しました。

ちなみに床暖房オプションが存在するのは私が知る限りではPanasonicのバスルームだけです。

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クリナップのラクヴィア(カタログ情報)

クリナップの普及グレード「ラクヴィア」は見積もりもショールームも未確認でカタログ情報のみです。

最近モデルチェンジしてデザイン路線が大きく変わり、木目などの自然素材柄や他の部屋との一体感を目指した今どきのデザインです。
シーリング材の代わりにカビに強いまるごとクリンパッキンを使い、排水口にステンレスを採用し、ヌメリを抑制するなど清掃性の工夫も見られますが、冷たくない床はありません。腰や膝への負担を軽減できるハイポジション設計で、水栓やカウンターの位置が高くなっています。

魅力はあるのですが、契約HMで案内されなかったこと、情報が少ないこと、デザインが家族の好みでなかったことから今回は除外しました。

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タカラスタンダードのグランスパ(仕様外)

タカラスタンダードの「グランスパ」は仕様外で割高になるためショールームにも行きませんでした。

ラグジュアリーでホテルライクなデザインやカビや汚れに強いホーローパネル、普及価格帯~中グレードでありながら肩湯間接照明など豪華なオプションを選択できるのが魅力です。

しかしながら、売りであるはずの磁器タイルは目地のピンクカビ、ホーローパネルは業者でも落とすのが困難な水垢などの懸念あり、没になりました。

また耐震性がありプチシェルターにもなる点は他のメーカーには無い魅力ですが、解体が大変らしいとのこと。

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最後に

なんだか全部没になっているような話ですが、次回は最終的に選択したバスルームについて紹介します。

 

次回

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家づくりメモ|設備選定②:キッチン仕様の課題と最終決定

前回の記事

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狭小ながら挑戦したアイランドキッチンの設計

我が家の1階は約20坪と狭く、決して広いスペースとは言えません。それでもデザインの先進性や使い勝手の良さに憧れが強く、あえて挑戦的にアイランドキッチンストレートダイニングを取り入れることにしました。

通常、アイランドキッチンは広い面積が必要とされるため、限られたスペースを補うために1階のLDKはできるだけ壁をなくし、無理やりでも広い空間を確保しています。

それでも奥行きが750mmや800mmのキッチンを選ばないと、通路が狭くなってしまうという問題があります。これが今回の設備選定において大きな制約要素でした。

「ある問題」とは?セラミック天板が選べないサイズの問題

前回の記事で触れた「ある問題」とは、クリナップの中級グレード「ステディア」でフラット対面・アイランド型プランの奥行き800mmサイズを選ぶと、セラミック天板を選択できないというものでした。

この制限により、我が家の最終決定には大きな影響がありました。

最終的な選択

悩みに悩んだ末、セラミック天板をどうしても諦めきれず、クリナップの最上位グレード「セントロを選択することにしました。「セントロ」なら奥行き800mmでもセラミック天板を選べるという利点があります。

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ビルトイン食洗機

また、私は時短や自動化にも強い関心を持っていたため、設備面で妥協したくありませんでした。その結果、ミーレの食洗機とも散々迷った末に、Panasonicのフロントオープン食洗機(60cm)を採用しました。*1

このPanasonicのフロントオープン食洗機は、クリナップのキッチンでは比較的最近選択可能となったもので、登場してからそれほど年月が経っていないため、使い勝手や耐久性に関するレビューがまだ少なく、実際に使ってみないと分からない点も多いです。つまり人柱です。

実績豊富で耐用年数も長いミーレを選ばなかった理由は色々ありますが、やはり乾燥機能の有無が一番大きいと思います。

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大幅な追加費用とオチ

結果的に標準仕様からの差額約230万円と、我が家のオプションの中では最大級の金額となりました。(上級グレードは掛率が悪く、差額なのでつまり実質価格は30ry)
しかし、納得のいく理想の設備構成を実現できるという満足感も大きいです。

 

その他の補足

洗エールレンジフードはあえて採用しませんでした。理由は調べればすぐに出てくると思います。水栓は感染症対策でLIXILタッチレス水栓「ナビッシュ」を採用し、IHヒーターは見た目を重視して日立の比較的ハイグレードなものを選択しています。どうせ機能使わないから無駄オプション。

なお、なぜLIXILの最上位グレード「リシェル」を選ばなかったのかについても触れておきます。別にリシェルがダメというわけではありませんが、クリナップのセラミック天板(スペイン・コセンティーノ社製「DEKTON」)のほうが厚みがあり、ヒビ割れなどの耐久性で有利そうだと感じました。実際、セラミック天板の割れが多く報告されているのはリシェルであることも考慮しています。

また、クリナップのステディア以上のグレードはキャビネット内部及びフレームがステンレス製で、耐久性・清潔性が高そうに見えたことも大きいです。さらに、個人的なメーカーへのこだわりや、従兄弟が既にリシェルのキッチンを新居に導入していて被ることもあり、結果的に複合的な理由からクリナップを選びました。

今回、我が家はワークトップ(天板)を主軸にキッチン選定を進めましたが、キッチン選びで重要なのは天板だけではありません。扉の面材収納の使い勝手プルモーションレール(ソフトクローズ機能)の品質など、多くの要素があります。今回文章ではそこまで語りませんでしたが、最終的に選んだクリナップの「セントロ」は、これらすべての要素を兼ね備えていることも大きな決め手となりました。

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*1:なぜ日本で広く普及している浅型や深型のスライドオープン食洗機ではなく、海外で普及しているフロントオープン食洗機にこだわったのか、簡潔に説明します。60cmサイズのフロントオープン食洗機は1日に出る食器を一度にまとめて洗える大容量が特徴です。これにより、食器を何度も洗い直す手間が減り、家事の時短に大きく貢献します。さらに一般的な浅型・深型より洗浄力が高く、大きな鍋やフライパンなど多様な調理器具も同時に洗うことが可能です。

家づくりメモ|設備選定①:キッチン仕様の検討経緯

今回は設備選定に関する記事です。あらかじめお伝えしておくと、現在打ち合わせの最終段階にあり、導入する設備はほぼ確定しています。

キッチンの選択

まずはキッチンから紹介します。
我が家は特に造作にこだわりがなかったため、むしろデメリットが多いように感じたので既製品のシステムキッチンを選びました。

契約しているハウスメーカー(以下HM)の標準仕様はLIXILの普及価格帯グレードで、HMオリジナルの「シエラS」と同等品です。仕様内でLIXILクリナップトクラスTOTOの各グレードに変更可能でした。(うちの支店では案内されませんでしたが、おそらくウッドワンも選択肢にあると思います)

また、契約したHMは自由度が高く、仕様外であるタカラスタンダードパナソニックなどの他社製品も採用可能です。ただしこれらは割高になります。おそらくハウステックキッチンハウスも強い要望があれば採用できると思います。
我が家は契約当初、パナソニックホームズと2択になるほどブランドイメージでパナソニック製品を推していたため、仕様外であるにもかかわらずショールームに足を運び、見積もりも取得しました。

 

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選定基準とコンセプト、各素材の評価

システムキッチン選びの指標は多々ありますが、我が家のコンセプトは一応「メンテナンス不要な家」です。(「一応」としているのは、あとで矛盾点が出てきたためですが…)
つまり、デザインよりは耐久性や清掃性の高さを最重要視しました。

この考えから、ワークトップ(キッチンの天板)素材として人造大理石・人工大理石は除外しました。ステンレスセラミックと比べ、熱に弱く、ひび割れや変色のリスクが高いからです。*1

また、TOTOザ・クラッソにあるクリスタルカウンター(エポキシ樹脂製)は見た目が美しく魅力的でしたが、同様の理由で候補から外れました。個人的にザ・クラッソの魅力の9割はクリスタルカウンターだと思っています。

 

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タカラスタンダードは標準仕様外で割高になることが分かっていたため今回は検討しませんでした。入れるとしたらレミューになりますがそもそも、色移りリスクのあるクォーツストーン天板にはあまり魅力を感じませんでした。一応、アクリル人造大理石ステンレスも選択可能ですが、私にはあえてタカラスタンダードで選ぶ理由がありませんでした。扉や引き出し・庫内がホーローなのは魅力的だと思いますが。

 

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パナソニックについてはSクラス/Lクラスともに、シンクにスゴピカ素材有機ガラス系)を使っている一方、天板は人工大理石のため同様に敬遠しました。(一応シンクは通常の人大より汚れにくいらしいです。)

フロートデザインと横並びの三連IHヒーターが家族に好評だったため、一応見積もりは取りましたが、ハウスメーカーの仕様外で普及価格帯グレードのSクラスが他社ハイグレードとほぼ同額だったため、高額すぎて即却下しました。

 

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トクラス人造大理石のパイオニアであり、その品質の高さで有名です。正直に言うと、人造大理石の天板を選ぶなら個人的にトクラス一択です。コラージアについては厚みが他社と全然違い、質感も良く、研磨可能なものがあったり、ピアノ塗装が綺麗だったり、人造大理石でありながらカタログスペックは非常に魅力的でした。しかし、何年か前に扉のシート剥がれが問題になっており、既に改善されていると思いますが不安だったので今回は除外しました。地元企業なので応援したい。

 

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ウッドワンのキッチンは本物の無垢材を使った自然な風合い、経年変化を楽しめるのが魅力ですが、家族が水回りに無垢材を使うことに難色を示したので除外しました。(ウレタン塗装を何層か重ねることでしっかり対策されてるはずなんですけどね。)天板は人大ステレンスを選べます。

 

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最終候補の素材とメーカー

最終的に選考に残った天板素材はステンレスセラミックです。
それに伴い、仕様内で選べるメーカーはかなり絞られています。

ステンレスならクリナップ一択、セラミックならLIXILクリナップのいずれかです。

ステンレスの評価と問題点

個人的にはステンレスを推していました。安価で耐久性が高く、色移りや割れのリスクも少ないからです。飲食店等でプロが使うキッチンもステンレスです。しかし、現在使用しているキッチンがステンレス製で、家族から「古いイメージがある」と反対されたため没になりました。

ちなみにステンレスには欠点もあります。傷が付きやすく、熱い調理器具を直接置くと変形する恐れがあるためNGです。傷を目立たなくするには予めバイブレーション加工(ランダムに表面を研磨)されたものを選ぶとよいでしょう。

クリナップのキッチンには「バイブレーションダーク」という黒いステンレス天板があり、これはクリナップ独自の塗装技術で他メーカーには真似できません。
(「美コート」と呼ばれる薄いセラミックコーティングに着色する技術のようです)

 

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昭和時代の安っぽいステンレスキッチンのイメージは全くなく、高級感があって非常に魅力的でした。

ただし、これは最上位グレードの「セントロ」限定で選択可能であり、価格はセラミック天板と同等です。また、SNSで塗装剥がれの写真を見てしまったため断念しました。

なお、ヤマダ電気のオリジナルキッチン「AMDRD(アマルド)はクリナップのセントロがベースであり、ダーク美コート(バイブレーションダーク)を選択可能です。一部のヤマダ電機店舗に行けば漆黒のステンレスキッチンを見ることができます。普通に高額ですが、ヤマダホームズやリフォームなら検討してみるのも良いかもしれません。実物を確認しましたが、格好良かったです。

セラミック天板の採用と特徴

残ったのはセラミック天板です。価格が高額なのを除けば、シミ、傷、熱に対してほぼ無敵と言ってよい最強に近い素材です。価格も最凶です。

一応欠点もあります。硬度が非常に高いため、食器を落としたり乱雑に置くと「食器」のほうが割れてしまうことがあるのです。また陶磁器と同様に強い衝撃でヒビが入ったケースもあるようです。

個人的にはステンレスと一長一短で最終的に迷いましたが、先述の理由もあり、最終的にセラミックを採用しました。

セラミック天板が選べるキッチン

セラミック天板が選べるキッチンは限られています。

我が家のHMの仕様内だと、LIXILの最上位グレード「リシェル」、クリナップの中級グレード「ステディア」、上級グレード「セントロ」の3種のみです。

 

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予算と候補の絞り込み

当初は予算面も考慮し、クリナップの中級グレード「ステディア」が最もコストパフォーマンスに優れていると考えて第一候補でした。

しかし、ある問題が発生しました…(続く)

 

次回の記事

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*1:「人造大理石(人大)」はメーカーによって素材や仕様が異なり、一概には言えません。天然石の配合や樹脂成分、仕上げなども多様で、品質や耐久性は各社独自の工夫によるため、詳細はメーカー情報を確認することが重要です。

家づくりメモ|特殊仕様紹介②:将来を見据えた電気・ネットワーク設備

前回の記事

家づくりメモ|特殊仕様紹介①:南窓のトリプルガラス化 - 注文住宅の家づくりとガジェット&アリエクレビュー|レベナのメモ帳


前回は窓のトリプルガラス化など断熱周りの特殊仕様を紹介しましたが、今回は電気設備やネットワーク配線といった将来性を意識したこだわり(すぎた)仕様について書いていきます。

全てのコンセントをアース付きに変更

2022年12月に内線規程が変更され、将来的に台所や洗面所など水回りだけでなく、住宅のすべてのコンセントに接地極付き(アース付き)コンセントの設置が義務化される可能性が高まりました。("推奨的事項"から"勧告的事項"に引き上げられました)
海外(特にアメリカ)ではすでに全てのコンセントがアース付きが標準となっており、輸入家電や電源タップはそれを前提に設計されています。こうした製品を使う可能性があるなら、今のうちに全コンセントをアース付きへ変更しておくのは賢明と考えました。

ハウスメーカーには相談しましたが、内線規程の改正はほとんど知られておらず、我が家のようにすべてアース付きコンセントを求める人は初めてとの驚きもありました。*1

業界的にもまだ認知が低いようで、基本的には提案もされないと思います。

 

以下のサイトでわかりやすく要約されています。

www.meiko-g.co.jp

キッチンカップボード上に単相200Vコンセントを設置

我が家では電子レンジの性能に非常に不満がありました。既存のレンジは表記時間通りに温まらず、ムラも多い状態でストレスがたまっていました。某動画投稿者の影響もあり、思い切ってキッチンカップボード上にエアコン用と同様の単相200Vコンセントを計画しました。

これにより、コンビニなどにあるインバーター出力1800W以上(定格消費電力2950W程)の業務用電子レンジを導入可能です。価格は高額ですが、爆速で確実に温められるため、時短につながります。私自身が電子レンジの付加機能をほとんど使わないこともあり、シンプルな性能重視で選べるのもメリットです。

jp.sharp

このモデルなら理論上は家庭用500Wの約4分の1程の時間で加熱が可能です。家庭用モデルより奥行きがあるのでカップボードの寸法には注意しましょう。(通常のD450やD500だとはみ出ます)

PC用コンセントを専用回路に

自分の趣味部屋には機器が非常に多く、現在は複数の電源タップで約50口に分岐しています。私の性格上、将来的にゲーム用途、AI活用やGPGPU用途で複数のハイエンドPCを同時稼働させることが容易に想像できます。

そのため、PC用のコンセントは専用回路を設計し、1500Wの電源ユニットや1台に2台の電源ユニットを備える業務・研究用のワークステーションにも対応可能です(?)

dosparaplus.com

リンク先はイメージです。購入予定はありません。

全室にCat6AのLANケーブルを通線

全室にCat6A規格のLANケーブル(RJ45)を通線します。

まず、私はゲーマーであり、特にFPSなどの対戦ゲームでは通信の遅延(pingが非常に重要です。無線環境だとどうしても遅延や通信品質のばらつきが起きやすいため、安定して低遅延な有線環境を整備するのは必須と考えました。

また、各部屋のテレビでは4Kストリーミングの視聴を想定しており、これが将来的には8Kにアップグレードされる可能性も踏まえています。(もっとも、現行のテレビの有線LAN端子は1000BASE-Tにすら対応していないものが殆どで、8Kテレビが普及する未来があるのか懐疑的です。必要なくない?)

メッシュWi-Fiルーターの有線バックホール対応配線について

まず最初にメッシュWi-Fiルーターについての説明は割愛します。

(以降、有識者以外は読み飛ばすことをオススメします。)

www.tp-link.com

我が家のネットワーク設計では、メッシュWi-Fiルータを複数設置する際に問題となる無線バックホール(Wi-Fiノード同士の通信)による速度低下を避けるため、有線バックホー対応を前提とした配線を計画しています。

具体的には、1F・2F・3F(小屋裏)の各メッシュWi-Fiノードを有線LAN(Cat6Aケーブル)で接続し、無線通信の代わりに10Gbpsの高速かつ安定した有線通信をバックホールとして利用します。これにより、

・各階、全室、全ロケーションでの高速かつ安定したWi-Fi環境の確保

・無線での中継による速度低下や遅延の軽減

・大量の端末が同時接続しても快適な通信品質維持

が可能になります。

ちなみにこれをハウスメーカーの営業マンに理解してもらうのは至難の業です。

というのも、メッシュWi-Fiルーター自体があまり認知されていないので、確実に配線計画が難航します。

TP-LinkのDeco BE85SFP+のポートを備えているので、有線バックホールの一部を消費電力・発熱的に有利なSFP+の光ファイバーDACケーブルにすることができます。1ポートのみなので残念ながら片側はCat6Aの10Gbpsになります。また、TP-Linkの商品であることが最大の欠点でもあります。 でも他メーカーにこんな仕様ないんだもん!

自室に空のCD管(PF管)を通線

現在、私はコミュファ光の10Gプラン(ゲーミングカスタム)を契約していますが、自室のPCはCat6A LANケーブル(RJ45)の10GBASE-Tではなく、SFP+のTwinaxケーブル、別名ダイレクトアタッチケーブル(メタル線)でL2スイッチと接続しています。*2

NICはMellanox ConnectX-3を使用しています。

ネットワークに詳しい方ならご存知かもしれませんが、RJ45の10GBASE-Tは消費電力・発熱量が多く、冷却が不十分だとNICやスイッチの性能低下や耐久性への影響が避けられません。多くの10Gスイッチの冷却ファンは高速回転するため騒音の大きな原因にもなります。Amazonの10Gスイッチのレビューでこの点はよく指摘されています。

こうした理由から、私は10Gネットワークを主にSFP+で構築しており、こちらは発熱問題がなく、業務用規格として成熟した技術です。*3

SFP+のDACケーブルやモジュール、スイッチなどは、アリエク(AliExpress)などの中国通販サイトや中古市場を活用すると、手頃な価格で入手できるため導入ハードルは意外と低いです。(SFP+10G x2 、RJ45 2.5G x8のL2スイッチがセールだと3000円くらいで買える)

SFP+について素人にもわかりやすく解説しているブログがあったので紹介しておきます。

note.com

新居ではネットワーク機器はすべて階段裏に集約し、階段裏のL3スイッチと2階自室のL2スイッチ間はOM4 LC-LCコネクタの光ファイバーケーブルを使って10GBASE-SRで接続します。そのための通線用に、「空のCD管(PF管)」を配管します。*4

このケーブル配線はSFP+のみならず、より高速なSFP28(25GbE)にも流用でき、将来的に20G以上の通信プランが登場し、高速化が必要になっても対応可能です。

さらに配管は太めのCD管(PF管)にしてあり、MPOケーブルを通してQSFP+(40GbE )/QSFP28(100GbE )にグレードアップすることも視野に入れています。

ここまでやるのは逸般の誤家庭だけです。もはや自宅データセンター的な構成も夢ではありません。

denzai-bank.com

PF管CD管の違いについては上記のサイトで解説されています。

最後に

以上のように、ネットワークの将来を見据えた空配管設置は少し(かなり)先行投資的ですが、今後20Gbps以上の光回線が登場することを踏まえて、最強のネット通信環境を手に入れるために不可欠と考えています。

我が家はやりすぎて通常の電気配線図に書き込みきれなくなり、専用の図面が必要になりました。(ハウスメーカーの方々には無理な要望にも応えてくださり、本当に感謝しています。)

 

次回の記事

rebena.hatenablog.jp

 

 

 

 

www.commufa.jp

*1:電気屋さん曰く、稀にいるらしいです。

*2:残念ながらレンタルHGWにSFP+が刺さらないのでHGW-スイッチ間はRJ45のトランシーバーモジュールを使用し、10GBASE-T SFP+で接続。

*3:なお、SFP+をRJ45の10G(10GBASE-T SFP+)に変換するトランシーバーモジュールは一般的に発熱が大きいですが、最近AliExpressで低発熱のタイプを入手したので、今後紹介するかもしれません。

*4:PF管は自己消火性があります。可能なら採用する方針です。ただし、HM側が認知していませんでした。

家づくりメモ|特殊仕様紹介①:南窓のトリプルガラス化

前回の記事

rebena.hatenablog.jp

前回は我が家の基本仕様を紹介しましたが、「なんの変哲もない今どきのよくある注文住宅の仕様じゃねえか」と言われそうな内容でした。今回は少し趣向を変え、標準的ではない特殊なオプション仕様についてお話しします。

南面大窓のトリプルガラス化

我が家の窓は基本的に、YKK APの複層ガラスAPW330(ペアガラス・樹脂サッシ)が標準仕様です。しかし、住宅の快適性に直結する断熱性能に妥協したくなかったので、断熱等級7は予算の関係で諦めたものの、最大の断熱弱点である窓の熱損失を抑えるため、南面の大きな掃き出し窓はすべてAPW430のトリプルガラスに変更しました。

本当は全窓トリプルガラスにしたかったのですが、金額が100万円以上上がるため、一部のみの採用にとどめました。

www.ykkap.co.jp

www.ykkap.co.jp

ちなみにLIXIL(TOSTEM)の窓を採用できる場合は同じ樹脂サッシなら後発であるEWを使用したほうが窓枠が細く、意匠性が高いので個人的にはおすすめです。
ただ、品質の問題なのかYKK APを推す大工さんが多いという噂もあるので参考までに。

www.lixil.co.jp

ガラスのスペーサーとアルゴンガス

さらにすべての窓には、中間層に乾燥空気よりも熱伝導率が低いアルゴンガスを封入しています。これは我が家が選択したHMでは標準仕様ではありません。オプションです。

また、標準はアルミスペーサーですが、内部結露が心配だったため、樹脂スペーサーに変更しました。こちらはそれほど費用がかからず、万人におすすめできるオプションです。

※まず、UA値(熱貫流率)の数値上は、スペーサーの種類やアルゴンガスの有無による差は誤差レベルと言われています。つまり、断熱性能の向上としては実質的にほとんど影響がないため、断熱性能面では気休め程度と考えてよいでしょう。

一方で、結露対策としての樹脂スペーサーの効果は非常に有効です。樹脂スペーサーはアルミに比べ熱を伝えにくいため、窓の内側での結露発生を大幅に抑制できます。このため、内部結露が心配な場合には樹脂スペーサーへの変更がコストパフォーマンスの面でも強くおすすめされます。

開閉の工夫

APW430(トリプルガラス)の大窓(掃き出し窓)はかなり重く、1枚で約50kgあります。高齢者には開閉がかなり大変なので、1階の和室には大型の引手を付けました。
今回は最も握りやすそうな大型引き手を採用しましたが、最低でもサポートハンドルはつけるべきだと思います。

2階の個室窓は使用者がまだ若いことと、後ほど紹介する特殊仕様のため、大型の引き手は採用していません。また、今回は割愛しますが大型引手やサポートハンドルはカーテンレールの取り付け位置に制約が生まれるので、気にする方は注意が必要です。

温暖地域でも断熱にこだわる理由

我が家は温暖な7地域に位置するため、あまり断熱を重視しなくてもよいと思われがちですが、夏の暑さ対策としても高断熱は効果的です。
近年の異常気象や地球温暖化の影響で、例年よりも暑さが厳しくなっていることや、将来的にさらに激しい猛暑が予想されることを踏まえると、外気温の影響を受けにくい高断熱の家はますます重要となります。
エアコンの冷たい空気を逃さず閉じ込めることができるため、冷房効率が上がり、電気代の節約にもつながるというメリットも大きいです。

 

次回の記事では主に電機やインターネット配線について紹介します。
私が暴走したため、このあたりから雲行きが怪しくなっていきます。

 

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